【タイ研修旅行】
岐阜県米菓工業協同組合は、組合設立60周年記念事業の一環として、第1に品質的に安定しているタイのもち米事情を知り、第2にタイのあられ工場を見て、あられ工場の実態を知るという目的でタイの米粉製造工場・あられ製造工場の見学を計画し、7月10日より7月13日までの日程で実施しました。この工場見学には、丸紅株式会社の紹介のもと名古屋支店酒井食糧課長にも同行頂き種々手配下さいました。タイにある曼谷澱粉股份有限公司とカノムサコムカンパニーへ研修に行きました。
1. 曼谷澱粉股份有限公司
1978年に設立され、米粉、米澱粉、タピオカ加工澱粉等を製造
平成21年7月11日に工場見学を行いました。現在MA米を使用されている企業の方で今後突発事故等でMA米の輸入がストップした時、代替品として利用できるかどうかがキーポイントだったと思います。工場は先ず、第一印象として非常に清潔でISO9001:2000HCCP等の認証を受けた立派なものでした。Japanese Sales Chiefの小谷憲一さんJapanese Salesの小林弘枝さんともにタイ在住8年の方の懇切丁寧な説明を受け感激しました。タイ米の総生産量は、2007年度3,000万t、内うるち米が2,400万t、もち米が600万tであった。もち米は大部分がタイ国内で消費され(タイの食文化)輸出は20万t程で主に中国向けである。最近の中国への輸出は、2008年度19万t(サブプライムローン破綻による世界同時不況の為幻滅)2007年度13万7千t、2006年度10万t、2005年度5万4千tであった。タイにおいても人件費の高騰により輸出量はベトナム・インドに後れをとっている。うるち米は、タイの中央から南(チェンマイ・ランバン)もち米は東北部(チェンライ)でとれる。日本には関税の問題で砂糖・加工澱粉を混ぜた米粉調製品を輸出しているが、主におかき・大福等に使用される。水引ローラーで作製されるが特長としてメッシュが荒い・もち米の臭いが強い・蛋白が多いこと等である。
2. カノムサコムカンパニー
1966年に設立され、タイで最初にあられの製造販売を開始
平成21年7月11日に工場見学を行いました。この会社は1966年に設立され、タイで最初にあられの製造販売を開始した。従業員は400名、清掃がよくゆきとどいており異物混入防止のチェックも各工程ごとに行われているのが良い。設備は、日本の工場と遜色なく又製造工程も全く同じである。原材料は米粉は一切使用せずもち米の精米そのものを使っている。主に日本それからアメリカ、中近東に輸出されている。丸紅㈱によると1989年の取引開始以来消費者からのクレームが一度も無いとの事である。亀田製菓㈱のタイの工場の買収があり、今後の日本の大手メーカーの動向が注目される。
以上2社を見学し、世界には安くておいしいものがまだまだある。私を含め井の中の蛙になることなく大きな目で世の中を見通さねばならないということに痛感した。
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